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デジタル競争力ランキング、日本は予想通り……?

2020年10月7日

【日本は前年からダウン】

スイスのビジネススクール「IMD」が今月頭に、
2020年版の世界のデジタル競争力ランキングを
発表しました(全63カ国・地域)。
デジタル技術に関して、「知識」「技術」「将来への備え」の
3項目で評価したものです。(10/1日経電子版)

1位 アメリカ(前年1位)
2位 シンガポール(同2位)
3位 デンマーク(同4位)
4位 スウェーデン(同3位)
5位 香港(同8位)
6位 スイス(同5位)
7位 オランダ(同6位)
8位 韓国(同10位)
9位 ノルウェー(同9位)
10位 フィンランド(同7位)

ちなみに、台湾は11位(同13位)
中国は16位(同22位)
日本は27位(同23位)でした。

あくまで個人的な印象ですが、
プログラマーでもあるデジタル担当大臣の
オードリー・タン氏が開発した
マスク在庫管理アプリが大活躍した台湾や、
国民ランキングシステムのような「芝麻信用」
(アリババグループが提供している個人信用評価システムで、
その高低で待遇も変わってくるとされる)等を駆使し、
“国民監視先進国”とも思える中国は、
ランキングはもっと上かと思っていました。

一方、コロナ禍において、給付金の振込みが大幅に遅れたり、
患者の報告がいちいち手書きでFAX送信だったり等々、
様々な“後れ”が露呈した日本は、もっと下とも。

菅政権では、目玉政策の一つとして、
デジタル庁を新設してデジタル化を推進する姿勢を打ち出しています。
いつか見た光景が繰り返されているだけという冷めた声もありますが、
外圧によって社会が変化するのは、
黒船以来の日本の一大特徴という見方もあります。

そうだとすれば今回こそ、
新型コロナという強烈な“外圧”によって、
ハンコのためだけに出社するとか、
手書きで提出させてそれをコンピュータに入力するとか、
何のために集まっているのかわからない会議とか、
「さすがに……」というようなものは変わっていくのではないでしょうか。

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【デジタル化の目的は?】

実は私、20年以上前にパソコン雑誌の編集部にいたことがあります。
今ではすっかり疎くなってしまったのは悲しい限りですが、
それはともかく、デジタル化は当時も大きなトピックの一つでした。

その時、大事なポイントとして強調されていたのが、デジタル化の目的。
これがあいまいだと、かけ声だけ空回りして、
形だけ整えて終わり、なんてことになりかねません。

デジタル化の目的はいろいろあるでしょうけど、
ざっくりまとめると、業務の効率化。
業務の効率がよくなるということは、
コストが削減されるということでもあります。
コストには、費用はもちろん、手間暇も含まれます。

デジタル化したはいいけど、
かえってお金も時間も労力もかかるようでは、
本末転倒もいいところです。

そして、ここが重要なんですが。
デジタル化=効率化=コスト削減は成立しても、
その結果生まれる仕事のクオリティが高まるかどうかは、
必ずしもイコールではないということです。

まあ、効率がよくなればたいていクオリティもアップするものですが、
それはそれできちんとチェックしないといけません。

コストは、金額や時間といった数字に表れるのでわかりやすいのですが、
クオリティはどう評価するのか。
時代によって変わる面もあり、難しい判断とは思いますが、
デジタル化したのに業績が上がらない、というところの大半は、
デジタル化自体が悪いのではなく、クオリティ向上に結びつくような
設計になっていないということでしょう。

――以上、20年以上前に言われていたことの主旨ですが、
現在でも十分通用するのではないでしょうか。
というより、手を替え品を替え続いてきた、
永遠のテーマと言えるのかもしれませんね。

当時、デジタル化に後ろ向きな人がよく言ってたのは、
「めんどくさい。今までの方が早いよ」

これって、なかなか根強いフレーズで、
これまた今でもいろんなところで聞こえてきそうです。

デジタル化した当初は、使いこなすために、個人差こそあれ、
それまでなかった“コスト”が増えるのは仕方ありません。
その意味でも、使い勝手の改良は常に視野に入っていないといけません。

しかし、かと言って、今までのやり方とは違うというだけで
否定していては、進むものも進みません。

日本社会にはびこる前例主義の弊害が、
コロナ禍によって、浮き彫りにされました。
「これまでがこうだったから」はデジタル化の大敵。
だから27位ってことかもしれませんね。