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“思い込み”にはご用心

2019年11月29日

【若林さん、「ヌーハラ」を斬る】

先日、お笑い芸人オードリーの若林正恭さんの結婚発表がありましたね。
若林さんは、知る人ぞ知る“読書芸人”のひとりで、
毎回いろんな作家とトークする『ご本、出しときますね』という
BSジャパンの番組のMCも担当していました。
私が好きな芸人さんのひとりでもあります。

その若林さんの著書に『ナナメの夕暮れ』というのがあって、
「ヌードルハラスメント」(「ヌーハラ」)について書いてあるくだりがあります。

今ではほとんど聞かなくなった「ヌーハラ」ですが、念のため補足すると、
ラーメン屋やソバ屋などで日本人が「ズズズ……」すすることに、
外国人観光客が精神的苦痛を感じる、ってものですね。

若林さんが「ヌーハラ」をツイッターで検索してみたら、
「日本でこういう報道がされているらしい」というツイートは引っかかるものの、
一般の外国の方が「音が苦痛」とつぶやいているものは見つからなかったそうです。

そもそも「ヌードルハラスメント」という言葉は和製英語。
言いはじめたのは日本人自身ということで、
「この言葉を作ったのは誰で、狙いは何だったのだろうか?」
というのが若林さんの疑問。

一時はテレビ番組でも話題になり、外国人が「ヌーハラ」を訴えていることを前提に、
「すする音が嫌なら日本に来るな」というコメントが共感を呼んでいました。

共感を呼ぶであろうことを、あらかじめわかっている人が、
「ここは日本だ!」とコメンテーターが目くじらを立てて
コメントするまでをデザインしているかのような印象を受けた、と若林さん。

若林さんは、誰かが教室にゴムのヘビのおもちゃを投げ込んで、
教室内がパニックになるイメージが浮かんだそうです。

――おもちゃのヘビに向かって「噛まれたら危ないだろ!」
「教室からつまみ出せ!」と言っているのではないだろうか?
本物のヘビのことはいくらでも議論すべきだと思うが、
実態のないものに怒らされているとしたらそれは不気味だ。
~ヌードルハラスメントは忘れ去られているだろうが、
ゴムのヘビを投げ込む人がいるということは覚えておきたい。――

うーん、さすが若林さん(^^)
勝手な思い込みには気をつけたいものです。
特に外国人への思い込みは、“よくありそうな形”に流されがちなので……。

おこしやす

【「ぶぶ漬けでもどうどす?」】

私も最近、思い込みを正されることがありました。

みなさんは、京都で「ぶぶ漬け」(お茶漬け)を勧められたら、
文字通り受け取ってはダメで、「早く帰ってほしい」という意味、
と耳にされたことはありませんか?
私も、それは京都ならではの“常識”と思ってました。

ところが、こないだ泊まった京都駅近くのホテルで、
夜食で無料サービスしていたのが、なんと「ぶぶ漬け」。
おもてなしの拠点ともなるべきホテルで、ずいぶん大胆だなあと思ったものです。
とてもおいしかったですけどね。

その場でスタッフさんに尋ねようとも思ったんですが、
クレームをつけてるように思われてもナンだし、
わざわざ「ぶぶ漬け」を出すからには何らかの理由があるはずで、
それを知らないことをさらけ出すのもナンなので、
あえて自粛し(^^ゞ、後で調べてみました。

京都に関する本をいくつも出している柏井壽さんの
『京都に行く前に知っておくと得する50の知識』によれば、
実は「ぶぶ漬け」は「早く帰れ」の意味じゃないとのこと。

京都人は、早く切り上げたい際は「用事」があることをうまく使うそうです。
「うっかりしてたわ。主人に頼まれてたことを忘れてた。
ちょっとそこまで行かんならんけど、一緒に行ってくれへん?」
「あ、うちもや。うちも頼まれごとがあったんを忘れてた。
ほな、おいとましますわ。えらい長話してしもうて、悪いことやったなぁ」
という具合。

「ぶぶ漬け」を勧めるからには、おいしい漬物がありますということだろうから、
ありがたくごちそうになればいいそうです。

思い込みで恥をかいたり、損をしたりしないためにも、
頭は(できれば体も)常にやわらかくありたいと、
思いを新たにした私でした。

本気で英語を身につけたい。
そのためには留学が有効なんだろうな、とも思う。
でも、環境が変わり過ぎてハードルが高い……
なんてふうにためらっている方がいらっしゃったら、
それも“思い込み”かもしれませんよ。