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北九州感染第2波は、積極的対策の結果?

2020年6月6日

【無症状者も感染経路不明も多数】

4/30から23日連続で感染者ゼロだった北九州市で、
新型コロナウイルスの感染が広がっています(6/4時点で130人)。
院内感染だけでなく、学校にも広がり、
衝撃をもって受け止められています。

昨夜(6/5)、『緊急特番 新型コロナ“第2波”の衝撃~いま北九州で何が~』
という番組がNHKで放送されました。

それによれば、感染者130人のうち無症状だった人は過半数の69人。
そして感染経路不明者は約38%の49人です。
ただし、病院や介護施設などを除くと、感染経路不明者は75%にものぼります。

北九州市は、感染者数が増加した要因として以下の3点を挙げています。

①5/14福岡県緊急事態宣言解除後の人出増加
②医療機関で各種検査を幅広く行うようになった
③症状がある人だけでなく濃厚接触者全員にPCR検査を行った

「感染第2波の真っただ中」という認識を示した北橋健治北九州市長は、
「短期決戦で収束させるためには、一時的に感染者数は大きな数字に
なるかもしれないが、しっかりとみんなでカバーしあって耐え、
早く脱却する道筋をつけて前に進みたい」と述べています。

感染が小さな点のうちに把握して抑え込む考え方ですね。

厚生労働省の感染対策にも携わる沖縄県立中部病院・高山義浩医師は、
「診断されないままウイルスが水面下で広がっている可能性は、
以前から指摘されていた。感染経路不明の症例が多く、
市中で流行が起きていることは間違いないと思う。
今日本がとっている戦略は、ある程度の流行は起こり得るが、
経済を再開させていこうというものなので、北九州のような流行再燃は、
いつでもどこでも起こり得る」と指摘しています。

現に6/2、東京都でも、小池都知事が「東京アラート」の発動を宣言しました。
モニタリング指標のうち、陽性者増加率が悪化したそうです。

また、無症状の感染者が多い点を受け、北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長は、
「自分が感染しているということを自覚していないと、手を介した感染、
あるいは不用意に周囲の物に触れるという行為は、なかなか気づかない。
こういう接触経路の市中の感染は、意外と多いのではないか」と指摘しています。

さらに、今後の心構えとして高山先生は、
ウイルスを完全に封じ込めるのは困難とした上で、
「感染を非難するのではなく、そういったことは起こり得るということで、
周りがきちんと支えながら、地域で力を合わせて、警戒感を高め、
流行をなるべく早くとらえて、見つけたときには市民の協力のもと抑え込む、
それを繰り返していかなければならないと思う」

伊藤先生は、「自分自身が感染しているかもしれない、
家族や友人が感染しているかもしれないという前提で、
検査をしていなくても、もしものことがあるので、
十分感染対策をして、うつさないようにする。
これを、これから先も3カ月、半年、1年、
怠ることなく続けるのが(収束の)一番の近道」としています。

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【感染を非難しても事態は悪くなるばかり?】

それにしても、ワクチンや治療法が確立していない感染症の厄介さをつくづく感じます。

個人的には、いろんなところで言われていることではありますけど、
高山先生が言われる、感染を非難しないということが、
実はとても大事なことなんじゃないかと思っています。

なぜなら、緊急事態宣言中にも見られたそういう空気を嫌って、
感染がわかるとイヤだから検査を受けないとか、
検査で感染が判明しても、批判を恐れて行動を正確に申告しない
といった態度が誘発されるからです。

その結果、感染者が図らずもウイルスを拡散させたり、
感染経路不明が多数出て有効な対策を打てなくなったりして、
回りまわって感染者を責めている人自身が、
感染者になってしまうかもしれません。

あくまで敵は、目に見えない、しかも、
まだわからないところがたくさんあるウイルスです。
ちょっとした隙を襲われることだってあるでしょう。
実際、きちんと対策していた救急隊員でさえ感染した例が
前出の番組でも紹介されていました。

気持ちはわからなくもありませんが、感染者=悪人と決めつけて攻撃していては、
結局、行き詰まってしまうようにしか思えません。

医療従事者への差別は論外としても、
感染者をやみくもに差別・攻撃するのは、事態を悪化させるだけで、
誰も幸せになれないのではないかと、改めて思いました。