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感染症対策は昔も今も……

2020年6月26日

【やることは変わらない】

ユニクロが発売した「エアリズムマスク」が大人気で、
発売初日の6/19には多くの人が並んでいる様子が報じられました。
マスクを求めて「密」になっているのは皮肉ですが、
暑い季節にマスクをどうするかは、切実な問題ではあります。

そもそもマスク着用は、100年前のスペイン風邪がきっかけで広まったそうです。
1920年、当時の内務省衛生局が自治体に配布したポスターでは、
次のような注意喚起がされています(*1)
≪汽車電車人の中ではマスクせよ 外出の後はウガヒ忘るな≫

≪流感豫防〈かぜよぼう〉
一、近寄るな――咳する人に
二、鼻口を覆へ――他〈ひと〉の為にも身の為にも
三、豫防注射を――轉〈ころ〉ばぬ先に
四、含嗽〈うがい〉せよ――朝な夕なに≫

昔も今も、やることは変わらないですね。

ちなみに、当時もマスクの高額転売はあったそうです。
1920年1月15日付東京日日新聞には、
「感冒流行に乗じ口蓋〈マスク〉の馬鹿値上」という見出しで、
「奸商〈かんしょう〉の仕業」(=悪徳商人の買い占め)と報じられています。(*2)

こんなことも、変わらないんですね……。

ウイルス研究の第一人者である河岡義裕・東京大学医科学研究所教授は、
「100年前のスペイン風邪のときも、
今でいうソーシャルディスタンスが呼びかけられていた。
100年経っても我々にできることはそれと変わらない。
ワクチンや治療薬がすぐにできるわけでもない。
感染している人に近づかないことしかない」としています。(*3)

また、一般向け科学雑誌としては世界最古(1845年創刊)とされる
『サイエンティフィック・アメリカン』誌の編集長、フレッド・グテル氏は、
著書『人類が絶滅する6のシナリオ』の中で、
「ウイルスに関する限り、医療技術は過去一世紀の間、
ほとんど進歩していないと言える。
ウイルス学者たちは確かに、実験室で何度か奇跡を起こしてきた。
インフルエンザウイルスの遺伝機構を観測することにも成功したし、
新型ウイルスの人工合成もできるようになっている。
だが、個々のウイルスがどのようにふるまうのかは、
実際に観察するまで予測できない」と述べています。

(*1)『池上彰緊急スペシャル! 世界を変えた新型コロナ』
(*2) 同上
(*3) ETV特集『緊急対談 パンデミックが変える世界~歴史から何を学ぶか~』

アベノマスク2

【マスクに込められる思い】

私たちにできるのは、できる限り「密閉・密集・密接」の3密を避け、
人と話すときも、できるだけマスクを着用すること。

マスク着用は、自分が感染しないようにというのもさることながら、
人に感染させないようにするという目的も大切です。

新型コロナウイルスは、発症2日前頃が感染させるピーク
(ウイルス量が最大になるタイミング)と考えられています。
無症状の感染者が出す飛沫が人の顔にかかり、
ウイルスが伝播していく危険があるという、
お互い気づきにくい、というか気づけない、とても厄介な性質ですね。

これを防ぐために、人と近距離で会話するときにはマスクを着ける――
飛沫を他人にかけてうつさないためにマスクを着用するという考え方は、
「ユニバーサルマスキング」と呼ばれています。

ワクチンや治療薬が確立するまでの「ウィズコロナ時代」に求められる、
新たな生活様式のひとつなんですね。

一方で、熱中症にも気をつけないといけない季節を迎えます。
上手にマスクとつきあっていきたいものです。