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「子ども向け自己啓発書」が活況

【自己投資は自然な反応】

ここ3回ほど本欄では、若者たちが社会を切り開く姿が
頼もしいという話題を取り上げました。
それを象徴するような動きが、出版界にもあらわれています。

急拡大しているジャンルが「子ども向け自己啓発書」。
友だちや親との関係、将来の仕事などをテーマに、
生き方についてどう考えるかを子どもたちに説く本です。

数年前、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を漫画化したもの
(漫画=羽賀翔一)が大ヒットしたのは記憶に新しいところ。
出版元のマガジンハウスによれば200万部を超えたといいますから、
ニーズは確実にあったということですね。

「好きなことを仕事にしようと叫ばれる時代だが、具体的な方法は誰も示さない」
――これは、5.22付日経電子版「悩める子どもたちに自己啓発書のススメ
新書など活況」内で、宝槻泰伸=監修『10歳から考える「好き」を強みにする生き方』
(えほんの杜)の担当編集者渡辺亜希子さんが語っていた企画意図です。

また記事では、思春期の精神保健を研究する東京大学の佐々木司教授が
次のように指摘していました。
「英語やプログラミングなど、社会が子どもに求める知識が増えている。
こうした圧力と人口減少などで先行きが見通せない社会への不安が相まって、
親はこうした本を薦めたいのではないか」

簡単に成功できるマニュアル、なんて安易なものではなく、
子どもに考え方や考える材料を示す良質の本が増えるのは、
明るい風潮だと思います。
加えれば、子ども向けの良い本は大人も十分ためになるのは、
改めて言うまでもないでしょう。

例えば、いい学校→いい会社→いい人生という、
わかりやすいレールが見えにくくなった昨今、
それは必ずしもマイナスではなく、
選択肢(多様性)が増えた社会とも言えます。

そのために自分の能力を高めるのは、
Z世代をはじめこれからの若者たちが望む、
自然な反応なのかもしれません。

微力ながら弊社も、そのお手伝いをするのが使命。
コロナに負けずに頑張ってまいります!

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