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「ピンチはチャンス」――今年上半期、コロナに負けずヒットした商品

早いもので今年もあと半月ほどで折り返し。
個人的には、昨年頭からずっとコロナに振り回され、
押し込められているようで、閉塞感がすごいんですが、
それでも世の中全体がへこんでいるわけでは決してありません。
コロナ禍でもたらされた、いわゆる「巣籠もり需要」に応える
商品やサービスも、昨年から続々と登場しています。

6/12に放送された『中居正広のニュースな会』では、
「2021年上半期爆売れ商品厳選8」と題して、
コロナ不況にも負けずにヒットした商品を取り上げていました。
なかなか興味深かったので、ここでも紹介します。


◆発売から半年で145万個

 ぬって焼いたらカレーパン/カルディコーヒーファーム

クリーム状の本商品を食パンにぬって焼くだけで、
家で作るのが難しいカレーパンができるというもの。
味だけでなく、乾燥マッシュポテトや乾燥玉ねぎによって、
揚げたカレーパンの食感を再現しているのも、好評の理由です。
『日経トレンディ』三谷弘美編集長によれば、
巣籠もり生活に慣れてきた人たちには、
もっと手軽においしいものが食べたいというニーズがあり、
それをつかむことは、ヒットする要因の1つです。

◆配信から約3カ月半で800万ダウンロード
 ウマ娘 プリティーダービー/Cygames

実在する人気競走馬のキャラクター(ウマ娘)を育成する
シミュレーションゲーム。レースで勝てたウマ娘は、
センターで歌って踊る「ウイニングライブ」を開催できます。
そのライブも、疾走感のあるクオリティが高い映像で、
競馬とアニメが両方楽しめるところも大きなウリになっています。


◆シリーズ累計2万着

 パジャマスーツ(リヨセル混ジャージセットアップ)/AOKI

「パジャマ以上・おしゃれ着未満」というコンセプトで
開発されたスーツ。テレワークでビデオ会議にも使えつつ、
家でも快適に過ごせるような着心地が特徴で、
家で洗えるというところもヒットの要因です。


◆駅の自販機を中心に販売されSNSで話題に

 From AQUA天然水ゼリー/JR東日本クロスステーション

見た目は普通の水ながら、ミントの清涼感もあるラムネ風味のゼリー。
「自販機で最も売れているのは天然水」
「ただし水は午後になると売れなくなる」
「夕方にはちょっと小腹を満たすようなゼリー飲料が売れる」
――といった購買データをもとに、「一番人気の天然水」と
「夕方に売れるゼリー飲料」を組み合わせて開発されました。


◆累計5000万個売り上げ

 ごちむすび/ファミリーマート

コロナの影響で外食が自由にできない分、
コンビニで買うおむすびをいつもより豪華なものにしたいという、
コロナ禍における“贅沢志向”にマッチした商品です。


◆シリーズ累計7000万本の文房具が進化

 シャーボNu(ニュー)/ゼブラ

軸を回すとボールペンとシャープペンが切り替わる「シャーボ」は、
1977年から販売されているロングセラー。
昨年11月、ある弱点を解消したところ、
シリーズの売り上げが前年比1.5倍になったそうです。
それは、シャープペンの芯の補充をしやすくしたこと。
これまでは、芯を補充するには分解しなければいけませんでしたが、
シャープペンの軸を真ん中に配置することで、
ペン上部にある穴から芯を補充できるようになりました。
さまざまな場所で仕事をするテレワークで、
何本もペンを持ち歩きたくないというニーズにも合い、
若年層の購入者も増えたといいます。

◆シリーズ累計500万台の美容家電も進化
 スチーマー ナノケア EH-SA0B/パナソニック

コロナ禍においては、マスクによる肌荒れなどで、
スキンケアを家でじっくりやりたい人が増えているそうです
(『日経トレンディ』三谷弘美編集長によれば、「おこもり美容」)。
6年ぶりのリニューアルで、自分が愛用している化粧水を
そのまま使える「化粧水ミスト」という新機能が、
前年比約2倍の売り上げにつながったとのこと。
いままでその機能がなかったのは、化粧水の粘度が高かったからですが、
本商品では水用と化粧水用のタンクを2種類用意し(付け替えて使用)、
化粧水用は1つ穴にして送り込む空気の圧力を上げ、ミスト化を実現しました。
手で塗るよりミストのほうが塗りムラが少ないそうです。

◆発売3カ月で20万本以上出荷
 ステンレスマグ SM-ZA/象印マホービン

水筒利用者の増加という背景もありますが、
あるストレスを解消したことで、S・M・L、
3サイズ合わせて前年の約5倍ヒットしたそうです。。
それは、もっと楽に洗えるようにしたこと。
従来品はフタの裏に漏れ防止のパッキンがついていて、
それを取り外して洗う必要がありました。そこを、
パッキンと栓が一体化した「シームレスせん」を採用することで、
より楽に洗えるようになりました。巣籠もりで家事が増え、
毎日の食器洗いの負担を少しでも減らしたいニーズをつかんだ格好です。
ちょっとした改良のようにも見えますが、
ゴム素材のパッキンと樹脂製の栓を一体化させるのは難しく、
開発に5年かかったといいます。

これらに限りませんが、コロナに負けていないどころか、
コロナを逆手にとったようないろいろな工夫の数々を知ると、
何とも力づけられると言いますか、明るい気分にさせてくれます。

何かとイライラすることも多い日々が続きますが、
決してダークサイドばかりではありません。
そこは意識して情報収集していきたいものです。

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